圓林寺

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2025.07.13

浄土真宗豆知識

旧暦盂蘭盆会です

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本堂にお飾りしている「切子灯篭」です

13日から16日は、旧暦お盆です。

圓林寺では7月も8月も盂蘭盆会(お盆)としてお迎えしていますので、是非ともお参りください。

故人を偲び阿弥陀さんの願いに触れる大切な時

お盆といえば、多くがご先祖様が家に帰ってくると言われる日本の大切な行事です。他宗派や地域によって、お家によっては、提灯を飾ったり、精霊棚を設けたりして故人の霊をお迎えします。しかし、浄土真宗では、お盆の過ごし方に少し違いがあることをご存知でしょうか?

故人はすぐに浄土へ|「里帰り」ではないお盆

浄土真宗の教えでは、人は亡くなると、阿弥陀如来のお慈悲の力によってすぐに浄土へ往き、そこで仏様になると考えられています。そのため、故人の霊がこの世に戻ってくるという「里帰り」の概念はありません。

では、浄土真宗にとってお盆はどのような意味を持つのでしょうか?

切子灯籠に込められた思いと「逆さ吊り」の教え

お盆の時期に、ご家庭によっては切子灯籠(きりことうろう)を飾ることがあります。多面体の美しい形が特徴の切子灯籠は、他の宗派で使う提灯のように故人の帰ってくる目印とするわけではありません。

一説には、切子灯籠は悪霊を寄せ付けない魔除けの意味を持つとも言われます。また、お盆の起源とされる目連尊者(もくれんそんじゃ)の説話に登場する「逆さ吊り(とうけん)」の苦しみを形として表現しているとも言われます。

目連尊者の母が餓鬼道で苦しむ姿を描いた「逆さ吊り」の教えは、私たち人間が日々の生活で抱える煩悩や、物事をさかしまに見てしまうことで生じる苦しみを象徴しています。お盆の時期にこの説話に触れることで、阿弥陀様の智慧に導かれ、自身のあり方を深く見つめ直すきっかけとなるのです。

※逆さ吊り=倒懸のサンスクリット語が「ウランバーナ」といい、それを漢字に音写したのが盂蘭盆会(うらぼんえ)です。

お盆はわたしたちの「聞法」の時

浄土真宗のお盆は、故人をしのぶと同時に、阿弥陀さんへの回向の期間です。故人の方のいのちの声に耳を傾ける時期ともいえます。家族や親しい人々が集まり、仏様の教えにあらためて耳を傾け、ホトケさまのお浄土に往かれた方のおしえてくださっている、命の尊さやはかなさ、人として生まれた意味を改めて考える。それが浄土真宗におけるお盆の本当の意味合いではないでしょうか。

ホトケさま、ご先祖さまは、決して無理を強いません。暑い日は避けて無理の無いようにお参りください。

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